止まらぬ物価高、政府の賃上げを発表など、経済状況の厳しさを物語っている昨今で、文部科学省は一般企業で働いていた人たちの教員採用に力を入れて取り組むことを発表しました。
公立学校の教員は地方公務員なので給料などは安定しているイメージですが、果たして民間企業から教員へ転職するにはどうしたらいいのでしょうか。
また民間から教員に転職して後悔しないためにはどのように決めたらいいのか、給与・給料の実態とともにお話します。
民間のキャリアから教員へ:後悔しない転職のコツ
民間企業に勤めて着々といけば課長、部長・・とキャリアを積んでいけるけど、教員って魅力的な仕事だしやってみたい、と思っている方も多いのではないのでしょうか。
人生は一度きり。やりたいことをやって生きていきたいですよね。かといって民間から教員へ転職してから後悔はしたくないですよね。
もちろん民間にあって教員にないもの、民間になくて教員にあるものは多くあります。これらを整理し、自分がどちらに合っているか、どちらの道にいきたいかをじっくり考えましょう。
例えば勤務時間です。民間企業では残業代が支払われるのがほとんどだと思いますが、教員は休日に出勤しようがどれだけ残業しようが微々たる「調整額」というものをあてられるだけです。
休日に出勤することがある?と思われるかもしれませんが、教員の7・8割の人が休日出勤を経験しています。
また、多く聞かれる民間と教員のギャップは、授業以外の仕事が多いことです。
学校の先生というと、授業をして、子どもや生徒と遊んで給食を食べて、部活動をやって…というイメージを持たれていますが、実際にはそれ以外にも校務が振り分けられ、行事の準備をしたり、出張や研修に行ったりすることも多々あります。
転職後に後悔しないためには、自分が「仕事」に何を求めるかを考えましょう。児童生徒のためなら、どれだけ時間を奪われてもかまわない、という人は転職を考えてみてもいいかもしれませんね。
民間から教員への中途採用はお得なのか?給与・給料の実態とメリット・デメリット
教員になると、安定した収入と長期休暇が得られるというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?民間から教員への中途採用はお得なのでしょうか?給与・給料の実態とメリット・デメリットについて調べてみました。
まず、給与・給料の実態ですが、教員の平均年収は約600万円で、民間企業の平均年収は約500万円です。しかし、これは単純に比較できるものではありません。教員は勤務時間が長く、残業代が支払われないことが多いです。また、教員は賞与が少なく、昇給も少ないです。
一方、民間企業では、業績や能力に応じて賞与や昇給があります。したがって、教員と民間企業の給与・給料を比較する場合は、総支給額だけでなく、勤務時間や賞与・昇給なども考慮する必要があります。
次に、メリット・デメリットですが、教員になるメリットは以下のようなものがあります。
- 子どもたちと触れ合い、教育に貢献できる
- 長期休暇や退職金などの福利厚生が充実している
- 安定した収入と雇用保障がある
一方、デメリットは以下のようなものがあります。
- 勤務時間が長く、残業代が支払われないことが多い
- 賞与や昇給が少なく、年収が低いことが多い
- 子どもたちや保護者とのトラブルや学校内の人間関係などのストレスが大きい
以上を踏まえると、民間から教員への中途採用はお得とは言えません。教員になることに興味や情熱がある場合は、給与・給料やメリット・デメリットをよく理解した上で挑戦することをおすすめします。
教員になることは簡単ではありませんが、子どもたちの成長を見守り、社会に貢献できるやりがいのある仕事です。
一般企業から教員になるにはどうすればいい?教員採用試験で一般企業での強みをアピールするコツ
一般企業から教員になるには決して簡単な道のりではありません。かなりの時間と労力を奪われます。やると決めたら覚悟を決め、やれる自信がなければすっぱりやめましょう。
教員になるには教員免許取得に必要な単位をとる必要があります。働きながらの場合は通信制大学や夜間学校を利用しる人が多いです。もちろん母校などに出向き、教育実習もいかなくてはなりません。
晴れて免許を取得して、教員採用試験に合格して働くことができます。ただし、文科省では民間企業からの採用に力を入れ始めたため、自治体によって異なりますが、採用されてから免許取得できる都道府県もあります。働きながら単位を取るのは難しいのでありがたいですね。
一般企業で培ったパソコンなどのICT技術、プレゼン、リーダー力、電話対応は教員になっても強みになること間違いなしです。自分がやってきたプロジェクト、自分のいたポジションなどを話し、強みのアピールにつなげましょう。
民間から教員になるために必要な志望動機とは?書き方のコツと具体的な例文
民間で働いていた人がどうして教員に?と思われるかもしれませんね。そんな時に使える志望動機の例文をご紹介します。
教員か企業か:キャリア選びで迷うあなたへのアドバイス
教員か企業か迷いますよね。ここでは、「キャリア」という観点で考えてみましょう。
キャリアというと民間が強いイメージですが、学校現場でもキャリアを培うことはできます。
最初は経験を積んでたくさんの経験をすることに越したことはないですが、年数を重ねると、主任、教務、教頭校長または教育委員会と場合によっては先生たちを指導する側にまわることもあります。
キャリアアップしたいから民間で・・というそんなあなた、もちろん民間で働く中でもいろいろな経験をすることができると思いますが、学校で働くことによって、生徒とともに自分自身の成長につながり、キャリアアップへの道がひらけるかもしれません。
教員なのに学校へ行きたくない?その背後にある心理とは
晴れて、民間から教員へ転職しても、「学校へ行きたくない」と思う気持ちは芽生えます。
「学校に行きたくない」、子どもからたまに聞かれる言葉ですよね、実は昨今教員からもこの言葉が聞かれるようになってきています。
というのも、疲労、ストレスなどから学校に行くことが怖くなってしまう症状です。
ただしこの現象は会社で働いていてもそうですよね。どうしても出勤したくない、電車に乗りたくないときってありますよね。
学校は社会の縮図です。多少の面倒はかけるかもしれませんが代役は必ずいます。ひとりで抱え込まずに誰かに相談しましょう。必ず助けてくれるひとがいます。
まとめ
この記事では、一般企業(民間)から教員になる方法や後悔するか、メリット・デメリットについてお伝えしました。教員転職のポイントは以下の通りです。
- 教員免許取得に必要な単位を取る方法は通信制大学や夜間学校などがある
- 教員採用試験では一般企業で培ったスキルや経験をアピールする
- 教員の給与や勤務時間は民間企業と比べて安定しているが、残業代はほとんど出ない
- 教員の仕事は授業以外にも校務や行事が多く、休日出勤もある
- 教員はキャリアアップのチャンスもあり、生徒とともに成長できる
教員か企業か、キャリア選びで迷っているあなた。教員になることで得られるものは多くありますが、それだけではなく、教員になることで失うものもあります。自分が何を求めているか、何を優先するかをしっかり考えてください。