ステンレス鍋は保温性が高く汚れも取れやすくとても使い勝手がいい調理器具です。
私自身はステンレス鍋を容量違いで4個ほど持っていますがどれも10年以上愛用しています。
とても丈夫で軽いので女性や子どもの料理にもぴったりなのです。
しかし そんなステンレス鍋でやってはいけない使い方があります。今回は以下の6つについてお伝えしています。
- ステンレス鍋でやってはいけないこと6つとその予防策
- その使い方だと金属が溶け出す!?原因と対策
- ステンレス鍋は体に悪いのか?安全性とメリット4つデメリット3つ
- 揚げ物調理の注意点・火災の原因にならないために
- 日頃のお手入れ方法
- 一生ものの鍋にするための選び方
安全でより長持ちするためには知っておきたいことです。
購入時のポイントもありますので、参考になれば嬉しいです。
ステンレス鍋でやってはいけないこと、知っていますか?鍋を傷める恐ろしい間違った使い方と予防策
ステンレス鍋でやってはいけないこと、向かないこと6つと、それぞれの予防策も併せて説明します。
- 強火で焼く、炒める調理
- 他の金属に触れたまま放置
- 料理したものを入れたまま放置
- 塩分や酸等を多く含んだ汚れを放置
- 湿気の多い場所で保管
- 急激な温度変化
強火で焼く、炒める調理
ステンレスは熱伝導が低い材質です。
ステンレス鍋で焼く、炒める作業をすると焦げ付きやすくなります。
さらに鍋が高温になり、空焚きと同じ状態になるため、油が焦げ付いたり、鍋底が変色・変形する原因になります。
〈予防策〉先にフライパン等で材料を炒めてからステンレス鍋に入れる
他の金属に触れたまま放置
異種金属とはステンレス以外の金属のことで、キッチン周りで言えばアルミ、鉄、銅などが挙げられます。
異種金属をステンレス鍋に触れたまま放置しますと「もらいサビ」が発生します。
もらいサビはお手入れで落とすことができますが、お手入れしても落ちないサビはステンレス自体にサビが進行したものと考えられます。
このサビは落とすことが難しくなります。
〈予防策〉異種金属から離して保存する。
こまめにお手入れしましょう。
料理したものを入れたまま放置
調理後は内容物をそのままにして保存しないでください。
腐食(サビ)発生の原因になります。
〈予防策〉調理後は他の容器に移してから保存しましょう。
※料理の保存が可能な素材
琺瑯容器がおすすめ。ホーローは表面がガラス質のため腐食に強く、料理したまま保存できます。
塩分や酸等を多く含んだ汚れを放置
塩分や酸を多く含んだ食品を入れ汚れたまま放置すると腐食(サビ)の原因になります。
<予防策>汚れはしっかりと落としましょう。
湿気の多い場所で保管
湿気が多い場所での保管は腐食(錆び)の原因になります。
<予防策>風通しがよく湿度の高くない場所で保管しましょう。
急激な温度変化
鍋底を急激に冷やしてしまうと、突然の温度差で外れてしまう可能性があるので、絶対にやめましょう。
鍋底が外れたときは、保証の対象外になってしまうので特に注意が必要です。
何度も繰り返すと金属疲労により鍋底が歪みIHで使用できなくなります。
<予防策>
急速に冷却が必要な場合は別容器に移すか鍋のままで冷やしたい時は内側に水を入れるなどしましょう。
ステンレス鍋で金属が溶け出すのは本当?
ステンレス鍋は通常の使い方をしていれば、鍋から有害物質等が溶け出てくることはありません。
ではなぜこのようなことを言われてしまうのでしょう。
ステンレス鍋の原料が原因
ステンレス鍋は鉄を主原料としニッケルとクロムを混ぜた合金のことです。
このクロムやニッケルが溶け出すと危険だといわれているようですね。
ステンレス鍋の使用による健康被害はありませんが、調理済みのお料理を放置していると食品中に含まれる塩分や酸等によりステンレスが腐食し、極微量の金属成分が溶け出す危険性が考えられるため『金属が溶け出して危険だ』と言われてしまうようです。
念の為の対策
金属が溶け出す危険性はほぼありません。
しかし調理後は速やかに他の鍋や保存容器に移すのが安心ですね。
気になるようでしたら、味噌汁やスープ、煮込み料理は短時間にするといいかもしれません。
ステンレス鍋は体に悪い?誤解されがちな鍋の特徴と安全性
素材の溶け出しによる健康被害はありません。
ここではステンレス鍋の安全性とメリット4つデメリット3つについて説明します。
<安全性>
フッ素樹脂加工された鍋に比べて健康被害はありません。
「ステンレス鍋のクロムが健康被害を起こすのでは」と言われていますが、このクロムは数千℃以上にならないと有害な六価クロムにはなりません。
ご家庭の調理ではそこまで高温で調理するのは不可能ですよね。
なので家庭で使う範囲においては健康被害の心配はないと言えるでしょう。
<メリット>
- IH調理に向いている
- 熱伝導率が低く、保温性、保冷性に優れている
- さびにくい
- 変形しにくい
IH調理に向いている
ほとんどがIHに対応しています
熱伝導率が低く、保温性、保冷性に優れている
コーヒーマグや水筒にもステンレス製が多いですよね。
鍋だと煮込みや鍋料理で中身の温度が冷めにくくなります。
さびにくい
主成分である鉄は丈夫である反面、とてもサビやすい性質があります。
クロムなどを混ぜサビにくくしたのが『ステンレス』となります。
表面に酸化クロムの皮膜ができて中の鉄がサビにくくなるのです。
シンクなどの水回りにもよく使われていますね。
変形しにくい
ステンレスは硬く丈夫で変形しにくい材質です。
鍋以外でも、水切りカゴや包丁、タンブラーなど色々なキッチン用品に使われています。
<デメリット>
- 重い
- 熱伝導がいまいちで焦げ付きやすい
- 変色しやすい
重い
主素材が鉄なので多いです。
鍋の場合フライパンと違って調理中に持ち上げることは少ないので、『少しくらい重くても大丈夫』という人には問題はないでしょう。
熱伝導がいまいちで焦げ付きやすい
ステンレスは他の素材と比べて熱伝導率が低いです。
熱の伝わり方が遅いというよりも、部分的に高温になりやすいため『加熱ムラ』ができやすいです
加熱ムラがあるということは焦げ付きやすいので、焼き物調理や炒め物調理には向きません。
「ステンレスフライパン」の名称で売られているフライパンは、ステンレスとアルミの三層鋼が主流です。
変色しやすい
鍋の内側が虹色っぽく変色することがあります。
新しいものによくみられる現象ですが、ご使用上特に問題はありません。
ステンレス表面の不動態皮膜に水道水中の微量成分(ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ性の物質)が付着し虹色のように見える現象です。
有害なものではありませんが、気になるようでしたら食酢やクエン酸で落とすことができます(中和させる)。
(水500ccに食酢50ccを鍋に入れ3分んほど煮立たせ、火を止めたら鍋全体に行き渡らせる)
ステンレス鍋で揚げ物をするのは危険?その理由と安全な方法を解説します
ステンレス鍋で揚げ物をするのは危険だという話も聞きます。
どのように危険なのでしょうか。
<揚げ物調理での危険>
- 油温が200℃以上になり発火して火災の危険性がある
- 衣など調理物が鍋底にくっつき、焦げる原因になる
<対策>
- 強火設定にしない
- 火をつけたらそばから離れない
- 目を離さない
- 油を入れた鍋を弱火〜中火でうっすら煙がでるまで温め、火を消して一度冷ましてから揚げ物用の油を入れると鍋底にくっつきにくくなる
製品によっては揚げ物調理をしないよう説明書に記載されている場合がありますので、ステンレス鍋を購入した際は一度目を通しておくと安全にお使いいただけます。
ステンレス鍋の手入れで悩むあなたへ:茶色い汚れと白い斑点の原因と解決法
ステンレス鍋を使っていると毎回きちんと洗っているのに、謎の斑点が出てきてしまうことがあります。
この斑点の多くが茶色や白色をしている場合が多いです。
ここでは以下のことを説明します。
- 購入後初めて使う時にすること
- 普段のお手入れ法
- 焦げてしまった時
- 茶色の斑点の原因・対策・解決法
- 白色の斑点の原因・対策・解決法
<購入後初めて使う前にすること>
ステンレス鍋の内側には鉄粉など細かい汚れが付着している場合があります。
購入し始めて使用する場合は
- 食器用洗剤をつけてスポンジ等で洗い十分にすすぐ
- 米のとぎ汁やくず野菜を水に入れたものを一度煮立たせる
<普段のお手入れ法>
- 調理が終わり内容物を取り出した後はお湯を入れておく
- 食器用洗剤で十分に洗い水でしっかりとすすぐ
- 水気を拭き取り乾燥させる
<焦げつきがある場合>
- お湯を入れて、焦げを柔らかくしできるだけ取り除く
- ぬるま湯を張り、食酢(またはクエン酸)を大さじ2加え30分ほど放置
- 焦げが全然取れそうにない場合は弱火にかけ温める(沸騰させない程度でOK)
- そのまま数時間放置してこすり落とす
- メラミンスポンジでこする。クリームクレンザーをつけてこする
- ナイロンたわしでこすり落とす
<茶色の斑点>
高温による「ヤケ」と呼ばれる現象です。
原因
- 空焚きをした
- 調理物が少なく一部が高温になり焼けてしまった
などが挙げられます。
金属の化学反応が起こったわけではなく、変色をしただけなので、健康上の問題はありません。
もちろんそのまま使用しても問題ありません。
対策
- 空焚きしない
- 鍋の大きさに対して調理物が少ない場合は別の鍋を使用する
解決法
- ステンレス鍋専用焦げ落とし洗剤を使用する
<白色の斑点>
原因
- 塩分や水道水に含まれる塩素などによるサビ
対策
- 塩を使う調理はしっかり塩と溶かして調理をする
- 使用後はよく洗いしっかり水気を拭き取る
解決法
- 水道水に含まれる成分が原因の場合は酸性のもの(食酢やクエン酸)で落とす
- 水にクエン酸約3%濃度、食酢約10%濃度にし弱火で10分ほど煮立たせる
ステンレス鍋は一生ものになるの?その理由と選び方を解説します
鍋は様々な料理に使う調理器具です。
上質な鍋は手入れをすれば一生使えるので、ひとつあると重宝します。
ステンレス製の鍋の特徴は、先述していますがとても丈夫です。メリットも多く気軽に使用できます。
食洗器対応の鍋が多いのも嬉しいポイントですね。
(我が家は食洗機対応なのでとても楽でおすすめです!)
失敗しないステンレス鍋の選び方
- サイズ
- 形状
- 対応熱源
- 種類
- 多重構造鍋
- 機能
- 収納
- ブランド
- 取手の脱着
サイズ
- 1〜2人分を作る:16〜20cmサイズ
- 家族が多い、量を多く作る:25cm以上サイズ
おでんなどは大きめサイズがおすすめです!
形状
- 浅型:大きめの肉や魚を使う料理や炒め物もできるものが多い。煮込み料理では煮崩れが起きにくい。
- 深型:カレーやシチューなどの煮込み料理をたくさん作ることができる。油を使う調理で油はねが起こりにくい。
対応熱源
コンロの熱源や使用目的を考慮しましょう。
- IH
- ガス火用
- IH /ガス火両用タイプ
種類
- 両手鍋:持ち運びしやすい。煮込み料理向き。重い分安定感がある。。
- 片手鍋:両手鍋より軽く手軽に調理しやすい。ソースやスープなど少量の調理向き。
- 雪平鍋:軽い。熱伝導率がいい。多様な調理に向いている。丈夫で変形しにくい。
多重構造鍋
ステンレス鍋は熱伝導率が低いので、加熱ムラが出来やすいというデメリットがあります
このデメリットをカバーするため、熱伝導率の高いアルミと組み合わせた多重構造鍋もあります。
機能
- 圧力式:煮込み料理でも短時間で食材が柔らかく仕上がります。
- 無水鍋:素材の旨みや栄養を逃さず調理できます。
収納
サイズ違いで複数セットで売られているものがあります。
同じブランド・メーカー、同じシリーズで鍋を揃えると重ねて収納しやすくなりますし、デザインが統一されているとキッチンがスッキリして見えます。
ブランド
ステンレス鍋はリーズナブルで手に入るものもあれば、職人が一つ一つ手作りした一品まで幅広い価格帯で売られています。
メーカーやブランドによって価格や機能性もまちまちです。
- ドイツの高級鍋優れた機能性をもつ『フィスラー』
- 低価格で使い勝手もいい『無印良品』
- 日本製で安全性と機能性がいい『燕三条 下村企販』
- 老舗ブランドの高品質な『ZWILLING(ツヴィリング)』
- 一生ものとして、高級調理器具ブランド『Vita Craft(ビタクラフト)』
- 機能性もあり優れたデザイン性『宮崎製作所』
取手の着脱
容量によってサイズ違いを揃えるとき、取っ手があると収納に困りますよね。
取っ手が着脱可能であればスタッキングでき収納場所にも困りません。
着脱できるタイプは取り付けやすさもチェックが必要です。
我が家は取っ手が取り外せるタイプなのでコンパクトに収納できて便利です。
※一生ものにおすすめの鍋
- ビタクラフト アリゾナ 片手鍋 17cm
- ティファール 両手鍋 コンフォートマックスシチューパン 20cm
- フィスラー (Fissler) 両手鍋 シチューポット ガス火/IH対応 ステンレス鍋 20cm
ビタクラフト アリゾナ 片手鍋 17cm
無水調理や無油調理が可能。
5層の構造で熱伝導と保温力に優れており、熱しやすく冷めにくいのが特徴。
ガスコンロやIHなどさまざまな熱源に対応。
キッチンの環境を選ばずに使用できます。
ティファール 両手鍋 コンフォートマックス シチューパン20cm
保温性の高いステンレス素材でアルミニウムを挟んだ三層構造。
熱伝導に優れているため鍋の側面まで熱がすばやく行き渡り、ムラなく調理できる。
蓋はガラス製で中身が確認できる。
フィスラー (Fissler) 両手鍋 シチューポット ガス火/IH対応 ステンレス鍋 20cm
オーブンは180℃まで調理可能。
食器洗い機対応。
茹でるだけではなく、煮込み料理や揚げ物、炒め物、無水調理などひとつで多彩な調理法が可能。
鍋の内側には目盛りが刻まれているので、計量カップ入らずで便利。
本体のフチは液だれしないように設計されているので注ぎやすく、器に移す際にこぼしにくいです。
まとめ
この記事では、ステンレス鍋の使い方やお手入れ方法について詳しく解説しました。 ステンレス鍋は、保温性や耐久性に優れた調理器具ですが、やってはいけないことや注意点もあります。 以下に記事の要点をまとめておきます。
- ステンレス鍋でやってはいけないことは、強火で焼く、炒める調理、他の金属に触れたまま放置、料理したものを入れたまま放置、塩分や酸等を多く含んだ汚れを放置、湿気の多い場所で保管、急激な温度変化などです。
- ステンレス鍋から金属が溶け出すことはほとんどありませんが、調理後は速やかに他の容器に移すのが安心です。
- ステンレス鍋は体に悪くありませんが、揚げ物調理では油温が高くなりすぎて火災の危険性があります。強火設定にしないことや目を離さないことが大切です。
- ステンレス鍋のお手入れ方法は、水洗いや中性洗剤で洗うことや、変色した場合は食酢やクエン酸で落とすことなどです。
以上がステンレス鍋の使い方やお手入れ方法についての記事でした。