『手入れが面倒そう』『錆びる』などデメリットのある鉄フライパンですが、メリットもたくさんあります。
私は調理師学校を卒業し10年以上鉄フライパンを使っています。あまり丁寧に扱ってはいませんのでよくサビていますが、未だ現役で使用しています。
使えば使うほどに扱いやすくなり、料理も美味しく仕上がるので、おすすめです。
今回は鉄フライパンの
- メリットデメリット
- 向かない料理、おすすめ料理
- シーズニング方法(油ならし)
- 使用後の洗い方、お手入れ方法(油返し)、注意点
- パリッと美味しい冷凍餃子の焼き方
- 無印良品の鉄フライパン
についてご紹介いたします
4のお手入れ方法では、鉄フライパンの取り扱いで注意すべき点もお伝えしてます。
うっかりフライパンをひび割れさせてしまったり、火災の原因になりかねない原因と対策もお伝えしていますので参考になれば嬉しいです。
鉄フライパンはやめたほうがいい?メリットとデメリットを徹底解説
鉄フライパンは丈夫で長持ちし、使い続けていくと焦げ付きにくくなり扱いやすくなる調理器具の一つです。
ここでデメリット3つとメリット5つをご説明します。
鉄フライパンのデメリット3つ
- 重い
- さびる
- 手入れが大変そう
鉄フライパンのメリット5つ
- 料理が美味しく仕上がる
- 錆びても復活できる
- 調理時間が短縮できる
- 丈夫で長持ちする
- 環境にも身体にも優しい
鉄フライパンのデメリット
1 重い
鉄なので重いです。
アルミ製と比べて約1.5倍!
力の弱い人や初心者は小さめのサイズがおすすめですよ。
2 錆びる
鉄なので錆びます。
水分が残っていたり湿度の高い場所で保管しているとすぐに錆びます。
ただ、錆びても簡単に元に戻せますよ。
私自身何度も錆びさせてしまっていますが使う都度復活させています。
3 手入れが大変そう
馴染みがないと面倒に感じるかもしれませんが、日頃のお手入れは以下の3つの工程でOKです。
①:粗熱がとれたらたわしでガシガシ洗う(冷水禁止)
②:火にかけ水気を完全に飛ばす
③:油をキッチンペーパーで刷り込む
慣れてくるとそんなに時間がかかりませんよ。
鉄フライパンのメリット
1 料理が美味しく仕上がる
鉄フライパンは耐熱性に優れており、強火での調理が可能です。
また保温性も高いため旨みを引き出しながら香ばしく仕上がります。
肉や魚料理では外側はパリッと、中はふっくらジューシーに。
パンのトーストもふわっと焼けますよ。
2 錆びても復活できる
鉄は錆びやすいのですが、簡単に落とすことができます。
雑でも大丈夫!力任せにこすって落としてください。
錆が落ちたらしっかりと乾かして、油を馴染ませたらOKです。
<手順>
- フライパンの深さ半分くらいまで水を入れ沸騰させる
- 沸騰したお湯をすて、たわしでこする
- 洗い流して、中火で3〜5分乾かす
- 油を入れ全体に行き渡らせ、油をオイルポットなどに流す
- キッチンペーパーで刷り込む
3 調理時間が短縮できる
熱伝導率がいいので、大きめのフライパンでもすぐに温まり調理が始められます。
保温性も高いため短時間で火が通ります。
特にオムレツなど卵料理はすぐに火が通るので、忙しい朝でもすぐに出来上がって助かっています。
4 丈夫で長持ちする
落としても割れることもなく(実際私は自分の目線ほどの高さから何度も落としていますが、へっちゃらです)、高温にも強いです。
使い続けると焦げ付きにくくなって、長く使えます。
5 環境にも身体にも優しい
落としても、錆びても、高温にも強い鉄フライパンは、焦げ付きにくい加工をしていませんので、コーティングが剥がれる心配がありません。
コーティングが剥がれてきた鍋やフライパンで調理したものは安全性が疑われますし、その都度買い替えが必要になります。
お手入れをしていれば半永久的に使えるので、地球にもお財布にも自分の身体にも優しい調理器具だといえます。
鉄フライパンで作ると失敗する?向かない料理とその理由
鉄のフライパンにはたくさんのメリットがありますが、どんな料理にもこのフライパンだけあればいい!というわけではありません。
鉄製であるゆえに向かない調理法や料理があります。
向かない調理法や料理については他素材の鍋を使用するといいでしょう。
向かない調理法
フライパン表面になじんだ油が熱湯で取れてしまいサビやすくなるためです。
<対策>
フライパンが温かいうちに洗ってしっかりと乾かし、油をしっかりとなじませてください。
注意が必要な料理
- トマト煮込み、トマトソース
- ワイン煮込み
- 甘いデザート料理
1 トマト煮込み、トマトソース
トマトのような酸性食品は、スキレットのシーズニング(油を馴染ませて油膜層を作る作業)や焦げ付き防止のコーティングをだめにする恐れがあります。
ゆっくり煮込んだパスタソースなど、調理時間が長めになると金属的な味が料理に移ってしまいます。
<対策>
鋳鉄製品は使わずに、他のものを使用しましょう。
2 ワイン煮込み
ワインや酢を使ってディグレージング(フライパンや鍋に残った肉汁に水分を加えてソースを作ること)するのは、あまりおすすめできません。
食品中の酸によって少量の金属が食品に溶け出して、味が悪くなるうえ健康に害を及ぼす可能性があるからです。
<対策>
鋳鉄製品は使わずに、他のものを使用しましょう。
3 甘いデザート料理
デザートのなかでも、パイやコーンブレッドなどのように、鋳鉄製を使うことで完璧に焼きあがるものがあります。
鉄フライパンはクリスピー食感のケーキやクイックブレッド(速成パン)を作ることができ、コンロから直接オーブンに入れることも可能です。
ですが普段から同じデザート以外のレシピを調理していた場合、それらの食品の匂いが移って、デザートが想像外の味になってしまう恐れがあります。
<対策>
甘いもの専用の鉄フライパンを用意して使い分ける
煮る、蒸す、茹でる、トマト料理やワイン煮込み料理などは鉄フライパンで調理せず、別の素材の鍋を使用し、デザートやパンなどを作る時は別の鉄フライパンを用意するといいですね。
鉄フライパンのシーズニングの方法と注意点
シーズニングとは、「油ならし」のことです。
鉄フライパンは販売時、表面にサビ止めの加工がしてあるものがほとんどです。
この加工を落として油をなじませてから使用します。
この油ならしをしないと焦げ付きやすく、鉄臭さが食材に移るフライパンになります。
<準備するもの>
- 食器用中性洗剤
- たわし(鉄フライパン用のたわしもありますし、金属製たわしでも大丈夫です)
- 油(あればべにばな油、ひまわり油、えごま油のような乾性油がおすすめです)
- オイルポット
- キッチンペーパー
- 菜箸
- (くず野菜)
<手順>
- 火にかけしっかりと全面加熱し塗装を焼き切る(煙が消えてフライパン全体が青みがかった黒色になります)
- 粗熱がとれたら、中性洗剤で洗い、しっかりと水で流す
- 中火にかけ約3〜5分しっかり乾かす
- 火を止め、たっぷりの油をフライパンに入れ全体に行き渡らせる
- オイルポットに油を流し入れる
- キッチンペーパーですり込む
- くず野菜を炒める(鉄独特の匂いをとる)
<注意点>
- 換気扇をつける→手順1の時に煙が出ます。
- 時間が経つと錆びてくることもある→錆びを落とし再度シーズニングを行う
- 食材が焦げる→油返しをする(手順は後述します)
鉄フライパンの手入れと洗い方で注意すべきポイント
高温に強く丈夫なのですが、日々のお手入れで注意する点もあります。
使用後のお手入れ方法と注意点4つを説明します
<使用後の手入れ>
- 調理が終わったら時間を置かずぬるま湯で洗う
- 油返しをする
<油返しの手順>
- フライパンを中火でしっかり温めます(フライパンの大きさにもよりますが、約3分ほど)。
- 100〜200ml程度の多めの油をフライパンに入れて油をなじませます。
- 油が温まり、かすかに煙が出てくるぐらいまで温めましょう。
- 油はオイルポットなどに入れて取り除き、そのあと調理に必要な量の油を加えて料理を始める
<ポイント>
油を入れる前にしっかりフライパンを予熱する。
予熱不足では油がフライパンに広がりにくく馴染みません。
しっかり全体を温めてから、油を多めに入れてください。
<注意点>
- 急激な温度変化
- 洗剤を使って洗う
- 焦げつきを残したままにする
- 熱ししすぎない
1 急激な温度変化
鉄フライパンは急激な温度変化でひび割れてしまうこともあります。
調理が終わったらぬるま湯で洗うのがいいでしょう。
真冬の冷たい水を調理直後のフライパンにかけるのは危険です。
2 洗剤を使って洗う
せっかく馴染ませた油が落ちてしまいます。
基本はぬるま湯で洗いましょう。
もし洗剤で洗ってしまった場合、再度油ならしをする必要があります。
3 焦げつきを残したままにする
調理後放置しておくと汚れが落としにくくなります。
完全に落とし切らずにいるとサビの原因にもなります。
料理を盛り付けたらそのまま洗ってしまうのが、汚れも落としやすく、フライパンの残った熱ですぐ温まるので乾かしやすいですよ。
4 熱ししすぎない
お手入れで火にかけることが多い鉄フライパンですが、十分に水分を飛ばそうと高温で長時間加熱していると発火のおそれがあります。
加熱中は目を離さず、高温で長時間の加熱には十分注意しましょう。
お手入れ時は中火で3〜5分加熱することがほとんどなのでその範囲内であれば発火の危険性は減ります。
鉄フライパンで餃子を作るときの注意点と餃子の焼き方
鉄フライパンで焼いた餃子は外側がパリッと、中はジューシーでとても美味しいです。
しかし、フライパンと皮がくっついてボロボロの餃子が出来上がってしまうこともありますよね。
注意する点は2つです。
今回はお手軽な冷凍餃子の焼き方をご紹介します。
<餃子を焼く時の注意点>
- 余熱不十分
- 高温すぎる
- 途中でいじる
1 余熱不十分
しっかりとフライパンを温めてから油を入れないと油が馴染まずどんな料理でもくっつきやすくなります。
使用前さっと水洗いした鉄フライパンを白い煙が出るまで(中火で約3〜5分)加熱して油を入れましょう
2 高温すぎる
しっかり油がなじんでも、そのまますぐ調理開始とはいきません。
フライパンの表面温度が高すぎてすぐにくっつき焦げてしまうでしょう。
周囲に十分注意したら、フライパンを少し上下に振ると温度が冷めてきます。
3 途中でいじる
餃子を焼く時に水を入れて蒸し焼きにすることがあります。
このとき餃子の皮から溶け出したでんぷん質が糊のようになるからです。
菜箸等で触らず水分をしっかりと飛ばしましょう。
水分がなくなればくっつく作用は失われ鍋底からするりと餃子が剥がれてきます
<冷凍餃子の焼き方>
- 鉄フライパンをしっかりと熱し、少し煙が出てきたら油をいれ全体に馴染ませる
- 余分な油をオイルポットなどに入れキッチンペーパーでしっかりとすり込む
- フライパンに調理用の油を入れる
- 表面温度が熱すぎず火を止めた状態で餃子を並べる、中火にかける
- 水を入れて(パッケージの指定量を確認)蓋をし約5分蒸し焼きにする
- 蓋を開け水分を飛ばす。この際は餃子を菜箸等で触らない
- 水分がなくなってきたら油を少量足す
- 無理に餃子を触らずしっかりと加熱をし、焼き上がったら完成です。
鉄フライパンのおすすめは無印良品!人気の理由と使い方
鉄フライパンは無印良品でも売っていますよ。
無印の鉄フライパンは主に炒め物に良いとされる薄めの板厚タイプです。
実際の使用感や調理面での口コミを調べました。
<人気の理由>
- お手入れの方法も同梱されているので慣れていない人にも優しい
- 購入しやすい価格帯が魅力的
- IHでも使える
- ガス火、オーブンでも使える
- IHで使用の場合、持ち手部分が熱くなりすぎない
- 重すぎないから女性でも調理しやすい(22cmサイズ)
- 2サイズあるから自分にあったサイズを選べられる
- 焼き物も炒め物も美味しく仕上がる
- 焼きムラが少ない
<使い方>
他の鉄フライパン同様です
- 使用前に油ならしをする
- 使用後は油返しをする
全く初めての場合や1〜2人分の料理をするなら22cmのものがいいでしょう。
3〜4人分や量の多い料理をする場合は26cmがおすすめですが、その分重くなるので(調理する具材分足されるのでさらに重くなります)力の弱い方やフライパン自体を重く感じる場合はやめた方がいいでしょう。
フライパン 直径約22cm 約0.87kg

フライパン 直径約26cm 約1.17kg

購入の際はぜひたわしもご一緒に!
たわし

まとめ
鉄フライパンのメリットとデメリット、向かない料理やおすすめ料理、シーズニング方法やお手入れ方法などをご紹介しました。
まとめると、
- 鉄フライパンは料理が美味しく仕上がり、丈夫で長持ちし、環境にも身体にも優しい
- 鉄フライパンは重くて錆びやすく、手入れが大変そうに感じるかもしれないが、実際は簡単にできる
- 鉄フライパンは煮る、蒸す、茹でる、トマト料理やワイン煮込み料理などには向かない
- 鉄フライパンはシーズニングをして油をなじませることで焦げ付きにくくなり、使いやすくなる
ということです。
鉄フライパンを使ってみたいと思った方は、こちらの無印良品の鉄フライパンがおすすめです。無印良品の鉄フライパンは、軽量で扱いやすく、シーズニング済みで初心者でも安心して使えます。サイズも豊富で、お好みに合わせて選べます。
鉄フライパンで美味しい料理を作ってみませんか?